速く書いた子どもが遅い子を待てないで集中しないときはどうするか



子どもによって書くスピードは違います。しかし、速く書いた子どもに次の指示をしておかなければ、おしゃべりが始まったり手悪さが始まったりして、集中が切れてしまいます。こんな時に私は次のような工夫をしています。

@「手本への書き込み」
速く書いた子どもは、自分の書いたものと手本とを比較させ、自分で気をつけたら良いことを見つけて手本の方に鉛筆や赤鉛筆で書き込みをさせて待たせると良いです。書写には「ノート」がありませんから、「手本」が書写のノートです。しっかり書き込みをさせてください。自分で自分の改善点を見つけさせる作業は「主体的な学習の力」につながっていきます。
自分の書いた作品には書き込みをさせない方が良いでしょう。自分の書いたものはすぐに収めてしまうので、二度と見ないからです。

A「割りばしを活用した答え合わせ」
「割りばし」は簡単でとても便利なツールです。「割りばし」を二本使って、手本と自分の書いたものの上にのせて比較させるのです。「画の長さ」や「画の方向」「偏の右端が揃っているか」等を自分で調べさせます。授業の最初に確認した「文字を整えて書く原理原則」の答え合わせをさせて待たせるとよいでしょう。これも「主体的な学習の力」につながっていきます。いつも書写道具の中に常備させましょう。

B「非常に遅い児童を速くさせる方法@」
みんなと比べて書くことが非常に遅い児童がいます。「速く書きなさい」「書くのが遅い」と注意したくなるところですが、それでは書写嫌いになってしまいます。遅い子を傷つけることなくスピードアップさせたいところです。そこで私は「まだ、書いている人が5人います。手本へ書き込みをして待ちましょう。」その後「まだ、書いている人が2人います。割りばしで答え合わせをして待ちましょう。」このようにカウントダウンをしていくと、まだ書きおえていない子は周りを意識して少しでも早く書き終えようとします。言葉では「待ってあげているよ」と言っていますが、遅い子にちょっぴりプレッシャーをかけているのです。

C「非常に遅い児童を速くさせる方法A」
書くのが非常に遅い子は、他の子に比べて書き始めることが遅いという場合が多いです。他のことを考えていて、いつまでも半紙が準備されていない、筆を触って遊んでいて集中できていない等落ち着かない子がいます。私は書き初めに毎回「墨をたっぷりつけましょう」「筆の持ち方に気をつけて持ちましょう」「ひじを高く上げて大きく構えます」「よーい、は・じ・め」の掛け声をかけます。私がこれを言っている間に多くの子は準備が終わります。ちょっと遅い子もついてこようとします。非常に遅い子も「よーい、は・じ・め」の言葉で慌てます。
また、毎回「持ち方」と「姿勢」の声掛けをしますので、全体の姿勢執筆も良くなっていくという良さもあります。