練習用紙の作り方はどうするの

「練習用紙」には、基本型として「かご字」と「ほね字」の二種類があります

@「かご字練習用紙」
「かご字」は手本の上に半紙をのせ、鉛筆で文字(点画)の輪郭を写し取って作ります。
始筆を筆の形にしておくと、始筆の角度や筆圧を意識しやすくなります。これを印刷しま
す。短時間で作製できて、もっとも使いやすく、学習者についても初心者向きです。

※練習用紙を使用するときは、子どもたちが授業の「ねらい」から外れて「字形のみ」を
意識するようになってしまうので、「ねらいの画間が均等になることを意識してなぞりましょ
う」「ねらいの文字の中心に気をつけてなぞりましょう」等ねらいを意識する言葉をかけて
から使用しましょう。

A「ほね字練習用紙」
「ほね字」も同様に手本の上に半紙をのせ、鉛筆で文字の点画の中心をなぞって作って、
印刷します。これも短時間で作製できます。
★基本型の練習用紙は作製が容易なので、時には、授業中子どもたちに自作させてもよ
いです。半紙全部の文字を作らせる場合、自分の苦手とする文字だけを作らせる場合等
その子に応じた指導が可能となる利点があります。
B「部分練習用紙」
 基本型の発展としては、「右はらい」や「おれ」等点画の部分・「へん」「かんむり」等漢
字の部分練習用の「かご字」「ほね字」があります。3年生の毛筆基本点画の学習場面で
は特に効果が大きいですが、その他の単元では、ねらいとずれが生じ、いつも筆使いに
のみをねらいとした授業になってしまうので留意しましょう。

C「白紙練習用紙」
 指導者に練習用紙を準備する時間のない時は、無地の上質紙(薄手の紙)を配り手本
の上にのせて、そのまま筆で写し書きをさせるとよいです。半紙と違って上質紙は墨の裏
うつりがないため、手本が汚れないので便利です。

D「外形練習用紙」
 文字の外形を補助線として、書き入れた練習用紙。「点画の長短」を学習する場面で、ど
の画が長いかを視覚的にとらえることができます。低学年でおおまかな形をつかませるとき
にも有効です。

E「補助線練習用紙」
 中心線等の補助線を書き入れた練習用紙。教師用指導書の手本の解説ページ(赤刷りペー
ジ)にある「手本」には赤で補助線が書き加えられている。それを参考にして作製すると簡単。
F「続き書き練習用紙」
 文字を途中まで書いており、続きを書いて文字の一部を練習するもの。例えば「星」の「日」の
部分が苦手な子どもが多い場合は「生」は書いてあり、「日」の部分を書いていない練習用紙。
子どもたちは「生」の上にバランスよく「日」だけ書く。「しんにょう」など漢字の部首の練習時に
有効。
★以上子どもたち実態や授業のねらいに応じたものを選択して用意すればよいのである。
Gおまけ(OHPシートを利用して)
 練習用紙ではないがOHPシート(透明シート)に文字の「かご字」をサインペンで書いたもの
も授業で活用できる道具だ。教室に自己批正のコーナーを設けて、確認OHPシートを備えて
おく。子どもたちは自分の書いた半紙を持って行き、自分の字の上にOHPシートを重ねる。サ
インペンで書いた輪郭(かご字)・補助線にどの部分が重なり、どの部分が長すぎるか、短くす
るか、を自分で認識し、自己課題を設定する。


<注意事項>
これら練習用紙や確認シートを使用しての学習は効果があるが、授業の中で長時間の時間設定は望ましいとはいえない
。練習用紙で学習したことを生かして、自力で半紙に書けるようにしなければならないからである。
<使用についての応用>
@一斉にクラスの全児童が同じ練習用紙を使用して学習する方法と、いくつかの種類を教師が用意しておき、子どもたち
に各自が使いたい練習用紙を選ばせる方法がある。
A練習用紙の準備は教師が作製する場合と係活動として「書写係」の子どもに作製させる場合もある。(特に中学校)